高校時代からの親友が結婚することになり、余興をお願いできないかと言われてムービー作りをすることになりました。結婚式までまだ半年くらいあったので、どのようなムービーにしようかと友人たちと何度も集まりながら方向性を決めました。思い切り盛り上がる仕上がりにはしたいけれど、せっかくの披露宴が台無しになってしまったら申し訳ないし、などと色々と考えながら限られた予算内でできることをやろうといくつかの案を出しました。
案として最初に出たのは、これまで縁あって関わってきた人たちにメッセージをもらい、その映像をつなぎ合わせて作成するメッセージムービーです。特にお世話になった人のメッセージを入れることができれば感動しますし、内輪ネタになりませんので場がしらけることもありません。案としては非常に良いと思ったのですが、メッセージムービーは既に多くの人が取り入れていて、使い古された感があるのも事実ですので、もう少し目新しいものはないかということでボツになりました。
次に案として浮上したのが、新郎と新婦に独身生活の最後に何かやり残したことはないかを聞いて、それを実行する姿を密着した映像を作るというものでした。新婦の方は非常に気に入ってやりたいことをあれこれとピックアップしていましたが、新郎の方が特にやりたいことがないし仕事が忙しくて時間も取れないということで、最終的には却下されてしまいました。新郎新婦がお互いにやりたいことがあり、それが実現可能ならとても良い案だったと思いますが、どちらかが乗り気でないと作成できません。
最終的に落ち着いたのは、ペンライトを使った光のアートのムービーです。カメラの長時間露光撮影モードを利用するのですが、光の軌道を使って文字や絵を表すことができます。空中にメッセージを書いては何度もやり直し、やっと満足のいくものができました。光を使っていますので、当日は式場の灯りを消してもらい、暗い中での上映となりました。ペンライトの光が幻想的に浮かび上がって素敵だったと新婦も喜んでくれましたし、作成した私たちも最後は感動してしまいました。ペンライトムービーの難しいところは、最初はどのように書いたら形が整うのか、綺麗に見えるのかが分からなくて少しずつ調節しながら撮らなければならない点です。一度やったことのある人たちならもっとスムーズにできたのだと思いますが、私たちの場合には1週間くらい色々と試しました。
ペンライトで描いたアートの後ろには、地元の地域の夜景を入れました。夜景が美しいことで有名な地域ですので、その夜景とペンライトの光のコラボレーションは我ながら見事な仕上がりだったと思います。実はあまりにも素敵な出来栄えだったので、その後に結婚式を予定している友人からも同じような映像を作成して欲しいと依頼されています。新婦の友人には心に残る結婚式になったと言われましたのでホッとしました。